従業員の勤務態度、業務上のミスや問題行動、社内規律違反など、従業員との間で問題が生じた場合、会社としてどのように対応するべきかを慎重に検討する必要があります。
注意や指導を繰り返しても改善しない場合には、懲戒処分を検討することもありますが、処分の内容や手続に問題があると、従業員から処分の無効を主張されたり、別の労働紛争につながったりする可能性があります。
シエル総合法律事務所では、企業・使用者側の立場から、問題社員への対応、懲戒処分の検討、従業員との交渉、解雇その他の人事上の措置について、個別の事情を踏まえて対応します。
問題社員への対応で重要なこと
従業員に問題行動がある場合でも、会社が直ちに懲戒処分や解雇を行えるとは限りません。
まずは、何が問題となっているのかを具体的に確認し、これまでの指導や会社の対応、就業規則の内容、従業員本人の説明などを整理する必要があります。
特に重要なのは、次のような事項です。
- 問題となっている行為が実際にあったのか
- いつ、どのような行為が行われたのか
- 会社はこれまでどのような指導・注意をしてきたのか
- 就業規則に処分の根拠となる規定があるか
- 過去に同様の問題があった場合、会社はどのように対応していたか
- 問題行為に対してどの程度の処分が相当なのか
- 今後も雇用を継続することが適切なのか
このような事情を確認した上で、会社としての対応を検討します。
問題社員への具体的な対応
問題社員への対応は、問題の内容や程度によって異なります。
注意・指導
勤務態度や業務上の問題がある場合、まずは本人に問題点を伝え、改善を求めることがあります。
その際には、単に「態度が悪い」「仕事ができない」と伝えるのではなく、具体的にどのような行為が問題なのか、何を改善する必要があるのかを明確にすることが重要です。
また、後に懲戒処分等を検討する可能性がある場合には、いつ、どのような指導を行ったのかを記録しておくことも重要です。
始末書・顛末書等の提出
問題行動の内容によっては、始末書や顛末書等の提出を求めることがあります。
ただし、書面の提出を求めること自体が適切なのか、どのような内容を求めるのかについては、問題となっている行為や就業規則等を踏まえて判断する必要があります。
配置転換等の人事上の対応
問題の内容によっては、配置転換その他の人事上の措置によって対応することも考えられます。
もっとも、人事権の行使についても無制限に認められるわけではないため、就業規則や雇用契約、会社の人事権の範囲、従業員に生じる不利益などを確認する必要があります。
懲戒処分
問題行為の内容や程度によっては、懲戒処分を検討することになります。
懲戒処分には、一般に、戒告・けん責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇などがあります。
ただし、どのような場合でも自由に処分できるわけではありません。
就業規則上の根拠、問題となる事実の有無、処分の相当性、これまでの会社の対応などを確認した上で、適切な処分を検討する必要があります。
懲戒処分を行う際の注意点
懲戒処分を行う場合には、単に問題行為があったというだけではなく、処分の有効性について複数の観点から検討する必要があります。
就業規則上の根拠
懲戒処分を行うためには、就業規則等において懲戒の根拠や事由が定められているかを確認する必要があります。
会社の就業規則にどのような規定があるのかを確認した上で、問題となっている行為がその規定に該当するかを検討します。
事実関係の確認
懲戒処分の前提となる事実について、十分な確認が必要です。
本人の説明だけでなく、関係者からの聞き取り、メールやチャット、勤怠記録、業務上の資料など、利用可能な資料を確認し、事実関係を整理します。
処分の相当性
問題行為が認められる場合でも、どの程度の処分が適切なのかを検討する必要があります。
問題行為の内容や程度、会社への影響、本人の立場、過去の処分歴、反省の有無、同種事例に対する会社の対応などを踏まえて、処分内容を検討します。
手続の適正
懲戒処分を行う際には、就業規則に定められた手続がある場合、その手続を確認する必要があります。
また、処分の内容を本人にどのように伝えるのか、本人から弁明を聞く必要があるのかなどについても、事案に応じて検討します。
懲戒処分と解雇
問題社員への対応として、最終的に解雇を検討するケースもあります。
しかし、懲戒処分としての懲戒解雇と、普通解雇では、問題となる法的要件や検討事項が異なります。
また、これまで十分な注意・指導を行っていたのか、問題行為の内容や程度がどのようなものなのか、改善の可能性があるのかなど、個別の事情によって判断が変わります。
解雇を検討している場合には、実際に解雇通知を行う前に、事実関係や証拠、就業規則、これまでの会社の対応を整理しておくことが重要です。

ハラスメント・問題行動への対応
従業員による他の従業員へのパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、その他の問題行動については、被害を申告した従業員への対応だけでなく、行為者とされる従業員への事実確認や処分の要否についても検討する必要があります。
会社が問題を把握した後に適切な調査や対応を行わなかった場合、別の労務問題につながる可能性もあります。
ハラスメントについては、関係者からの聞き取りや証拠の確認を行い、事実関係を整理した上で、会社として必要な対応を検討します。

問題社員への対応で弁護士に相談するタイミング
問題社員への対応では、懲戒処分を行うことが決まってから相談する必要はありません。
例えば、
- 従業員の勤務態度に問題がある
- 注意・指導を繰り返しているが改善しない
- 他の従業員とのトラブルが続いている
- ハラスメントの申告を受けた
- 始末書等の提出を求めたい
- 懲戒処分を検討している
- 配置転換を検討している
- 解雇を検討している
- 従業員から処分について反論を受けた
といった段階からご相談いただけます。
早い段階で事実関係と法的な問題点を整理しておくことで、その後の対応を検討しやすくなります。
シエル総合法律事務所の対応
シエル総合法律事務所では、企業・使用者側の立場から、問題社員への対応についてご相談をお受けしています。
問題となっている行為やこれまでの経緯を確認した上で、会社として取り得る対応と、それぞれの法的リスクを検討します。
必要に応じて、
- 事実関係の整理
- 従業員への注意・指導に関する助言
- 懲戒処分の内容に関する検討
- 始末書・処分通知等の書面作成
- 従業員との交渉
- 配置転換等の人事上の措置に関する助言
- 解雇に関する助言
- 労働審判・訴訟への対応
などを行います。
ご依頼いただく場合には、対応内容と弁護士費用について、事前に明確にご説明します。
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問題社員への対応や懲戒処分について判断に迷っている場合には、処分を行う前の段階からご相談ください。
会社としてどのような対応が可能なのか、どのような点に注意する必要があるのかを整理し、具体的な対応を検討します。

