労働者のための定年後再雇用Q&A【法律解説】

「再雇用を断られた」「給料が大幅に下がった」「65歳前に切られた」
――それ、違法の可能性があります。
Q1 定年後再雇用は労働者の「権利」なのですか?
A
はい、一定の条件のもとで法律上守られた権利です。
企業は、高年齢者雇用安定法により、希望する労働者を65歳まで雇用する義務があります。
そのため、
「会社が決めた人だけ再雇用する」
「気に入らないから再雇用しない」
といった対応は、原則として許されません。
Q2 定年後再雇用を希望したのに、会社から断られました。違法ですか?
A
多くの場合、違法となる可能性があります。
現在の法律では、定年後再雇用制度において
再雇用対象者を選別する基準は原則禁止されています。
例外的に再雇用を拒否できるのは、
- 働くことができないほどの心身の障害がある
- 横領・重大なハラスメントなど、解雇相当の行為がある
といったごく限定的な場合のみです。
Q3 定年後再雇用の契約が「1年更新」なのは問題ありませんか?
A
契約自体は問題ありません。
定年後再雇用では、**有期労働契約(1年更新など)**が一般的です。
しかし、次の点が重要です。
- 更新が前提の制度になっている
- 「65歳までは再雇用」と説明されていた
このような場合、会社が途中で更新を拒否すると、
「雇止め」として無効になる可能性があります。
Q4 再雇用後、給料が半分以下になりました。違法ですか?
A
大幅な賃金減額は違法となる可能性があります。
法律上、定年後再雇用を理由に
無制限に賃金を下げてよいわけではありません。
判断では、
- 仕事内容が定年前と変わったか
- 責任・役割が軽くなったか
- 労働時間が短くなったか
が重視されます。
仕事内容がほぼ同じなのに賃金だけ大幅減額されている場合、
違法と判断される可能性があります。
Q5 定年後再雇用でも「同一労働同一賃金」は守られますか?
A
はい、守られます。
定年後再雇用者も、パートタイム・有期雇用労働法の保護対象です。
次のような扱いは問題になりやすいです。
- 正社員と同じ仕事なのに基本給が大幅に低い
- 業務内容が同じなのに賞与がゼロ
- 再雇用を理由に手当が一切出ない
会社は、待遇差の合理的な説明ができなければなりません。
Q6 定年後再雇用では、賞与や退職金はもらえないのですか?
A
必ずもらえるわけではありません。
ただし、「再雇用だからゼロ」は常に正しいわけではありません。
- 定年前と同じ業務
- フルタイム勤務
- 長年の貢献がある
こうした事情がある場合、
不支給が違法と判断される可能性があります。
Q7 65歳になる前に「もう更新しない」と言われました。合法ですか?
A
簡単には合法になりません。
以下に当てはまる場合、
雇止めが無効になる可能性があります。
- 更新が繰り返されていた
- 「65歳まで働ける」と説明されていた
- 特に問題なく勤務していた
会社は、客観的・合理的な理由を示さなければなりません。
Q8 定年後再雇用でも無期雇用に転換できますか?
A
原則として可能性はありますが、例外があります。
定年後再雇用については、
企業が法律に基づく手続きを行っていれば、
無期転換ルールが適用されない特例があります。
ただし、
- 会社が必要な届出をしていない
- 制度運用が不適切
場合には、無期転換が認められる余地があります。
Q9 再雇用後、突然配置転換や業務変更を命じられました。従う必要がありますか?
A
必ずしも従う必要はありません。
再雇用契約では、
- 職務内容限定
- 勤務地限定
とされていることが多く、
定年前と同じ感覚での配置転換命令は無効となることがあります。
Q10 定年後再雇用で納得できない扱いを受けたら、どうすればいいですか?
A
次の対応が考えられます。
- 就業規則・再雇用規程・契約書を確認
- 賃金・待遇差の理由を書面で確認
- 労働局・労働基準監督署への相談
- 弁護士への法律相談
**定年後再雇用は「泣き寝入りしなくてよい分野」**です。
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定年後再雇用をめぐるトラブルは、
「年齢の問題だから仕方ない」
「再雇用してもらえただけでもありがたい」
と考えてしまい、本来守られるべき権利が見過ごされがちです。
しかし、
- 再雇用を断られた
- 給与が大幅に下がった
- 65歳前に更新を拒否された
- 正社員と同じ仕事なのに待遇が著しく違う
といったケースでは、違法と判断される可能性があります。
定年後再雇用の問題は、
✔ 就業規則
✔ 再雇用規程
✔ 労働契約書
✔ これまでの運用実態
などを総合的に確認しなければ適切な判断ができません。
「この扱いはおかしいのでは?」
「会社の説明に納得できない」
そう感じた段階で、一度、労働問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
早めの相談が、解決の選択肢を広げることにつながります。
定年後再雇用に関するご相談は、
初回相談から対応可能です。
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