1 日本では、会社は自由に従業員を解雇できますか?
A
いいえ。日本では解雇は非常に厳しく制限されています。
労働契約法16条により、
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、無効」
とされています。
いわゆる「解雇権濫用法理」で、世界的に見ても労働者保護が強い制度です。
Q2 解雇にはどのような種類がありますか?
A
主に次の4類型があります。
- 普通解雇
能力不足、勤務態度不良、健康上の理由など - 懲戒解雇
重大な規律違反(横領、重大なハラスメント等) - 整理解雇(リストラ)
経営不振などによる人員削減 - 試用期間中の解雇
試用期間でも原則として解雇制限あり
※いずれも「理由」と「相当性」が厳しく審査されます。
Q3 「能力不足」を理由に解雇できますか?
A
極めて困難です。
裁判例では、以下が求められます。
- 客観的に見て著しい能力不足がある
- 配置転換・教育・指導を尽くした
- 改善の機会を十分に与えた
- それでも改善が見られない
単に「期待に達しない」「成績が悪い」程度では、解雇は無効になりやすいです。
Q4 問題行動があればすぐ懲戒解雇できますか?
A
できません。懲戒解雇は最も重い処分であり、
- 就業規則に明確な根拠があること
- 行為の悪質性・重大性
- 過去の処分との均衡
が必要です。
軽微な違反での懲戒解雇は、ほぼ確実に無効となります。
Q5 整理解雇(リストラ)が有効とされる条件は?
A
裁判例上、以下の「4要件」が重要です。
- 人員削減の必要性
(経営危機の客観的証明) - 解雇回避努力
(残業削減、役員報酬カット、配置転換等) - 人選の合理性
(恣意的でない基準) - 手続の相当性
(労働者・労組への説明・協議)
1つでも欠けると、解雇無効となる可能性があります。
Q6 解雇する場合、事前に予告は必要ですか?
A
はい。労働基準法20条により、
- 原則:30日前の解雇予告
- 例外:30日分以上の解雇予告手当を支払う
ことが必要です。
ただし、予告をしても解雇が有効になるわけではありません(別問題)。
Q7 解雇理由は書面で示す義務がありますか?
A
労働者が請求した場合、会社は解雇理由証明書を交付する義務があります(労基法22条)。
虚偽・後付けの理由は、紛争時に会社側に極めて不利です。
Q8 解雇が無効とされた場合、どうなりますか?
A
解雇は「最初からなかったこと」になります。
- 労働契約は継続
- 未払い賃金(バックペイ)の支払義務
- 原職復帰が原則
実務では、和解により**解決金(数か月~数年分賃金)**で終了する例も多いです。
Q9 「解雇ではなく退職勧奨」なら問題ありませんか?
A
注意が必要です。
退職勧奨でも、
- 強要・執拗な説得
- 威迫(退職しないと不利益)
- 精神的圧迫
があると、違法行為や解雇と同視される可能性があります。
Q10 労働者は解雇されたらどう対応すべきですか?
A
一般的には以下の流れが考えられます。
- 解雇理由証明書を請求
- 証拠(メール・評価資料等)を保存
- 労働局の「あっせん」申立て
- 弁護士相談
- 労働審判・訴訟
※解雇無効を争う場合、初動対応が極めて重要です。
Q11 企業側がリスクを減らすために重要な点は?
A
- 日頃の評価・指導の記録
- 就業規則の整備・周知
- 段階的処分(注意→戒告→減給等)
- 感情ではなく証拠と手続
「辞めさせたいから解雇」は、ほぼ通用しません。
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