労働審判は、解雇、残業代請求、ハラスメント、雇止めなどを巡る労使トラブルについて、原則3回以内の期日で迅速な解決を図る制度です。
スピード感が重視される一方で、企業側にとっては初動対応を誤ると不利な判断や高額な解決金につながるリスクがあります。
本ページでは、企業側が労働審判を申し立てられた場合に押さえるべきポイントと、弁護士がどのように対応するのかを解説します。
労働審判を申し立てられた企業が直面するリスク
労働審判では、通常訴訟と比べて以下のような特徴があります。
- 短期間で結論が出る
- 書面だけでなく、審判期日における説明・受け答えが重視される
- 裁判官に加え、労使双方の専門家(労働審判員)が関与する
- 会社の対応姿勢や説明の一貫性が強く評価される
そのため、
「事実関係の整理が不十分なまま対応してしまう」
「社内説明用の資料をそのまま提出してしまう」
といった対応は、企業側に不利な心証を与えるおそれがあります。
企業側対応で重要となる3つのポイント
1.初期対応と方針決定のスピード
労働審判は申立書が届いてから短期間で第1回期日が指定されます。
この段階で、
- 事実関係の整理
- 証拠資料の精査
- 和解も含めた解決方針の検討
を迅速に行う必要があります。
特に「争うのか」「一定の解決金で早期解決を目指すのか」の判断は、結果を大きく左右します。
2.主張書面・証拠の戦略的整理
労働審判では、限られた回数で判断が下されるため、
何を主張し、何を主張しないかが極めて重要です。
企業側としては、
- 就業規則・雇用契約書の位置づけ
- 実際の運用状況
- 問題行為があった場合の記録や指導経緯
などを踏まえ、審判員に理解されやすい形で整理することが求められます。
3.期日における対応と説明
労働審判では、会社代表者や担当者が出席を求められることも多く、
期日での説明内容や受け答えが心証形成に大きく影響します。
弁護士が事前に説明内容を整理し、想定される質問への対応を準備することで、
不用意な発言によるリスクを防ぐことができます。
弁護士が企業側労働審判で行う主な業務内容
当事務所では、企業側代理人として、以下のような業務を行います。
- 労働審判申立書の分析・リスク評価
- 事実関係のヒアリングおよび証拠整理
- 主張書面(答弁書等)の作成
- 労働審判期日への出席・対応
- 和解案の検討・交渉
- 審判・異議申立てを見据えた戦略立案
単に「争う・和解する」という二択ではなく、
企業の実情や今後の労務管理への影響を踏まえた解決を重視しています。
労働審判は早期の弁護士相談が重要です
労働審判は、対応を誤ると短期間で不利な結論が確定する可能性があります。
一方で、初動から適切に対応すれば、リスクを抑えた早期解決も十分に可能です。
企業側で労働審判を申し立てられた場合や、申立てを検討されている段階でも、
できるだけ早く弁護士へご相談ください。
